2019年1月にガラスコーティングを施工されたお客様からご相談例です。
ご相談内容とは
車は、水シミ、シャンプーシミが酷く、また、洗車傷もあり、メンテナンスの範囲で事足りるのか心配になる状態です。
車は屋外の立体駐車場に止めており、駐車場から5M隣が高校のグラウンドという環境のため、常に砂埃にさらされる状態で使用しています。
相談をお受けしてから後日、実際にボディを拝見させていただくことになりました。
オーナー様の悩みである泡シミとは
照明に照らされたボンネットやフェンダーには泡シミ跡が照明に反射して見えますが、この泡シミはボディ全体に広がっていました。
シミの原因分析
シャンプー泡シミと水シミができる要因として考えられるのは
①シャンプー成分の特徴
②シャンプー塗布手順と洗い流すタイミング
③コーティング施工車との相性
④洗車のタイミングと洗車手順
ざっとあげただけでも、これだけの原因があげられます。
着目したのが流れ落ちない雨の水滴
工房内で30分経過しても、ボディ側面の雨水が流れ落ちることもなく残ったままの状態です。
これは表面張力によって水滴が流れ落ちないのかほかにも原因があるかもしれません。
青空の下、急に晴れて気温が上昇したり熱のこもった塗装上の水滴だと水シミが発生してしまう状態です。
使用したシャンプーの説明書には
●きめ細かい豊富な泡立ちで汚れすっきり
●今までに無いほどキメ細かく、リッチ(豊富)な泡立ちを実現した希釈タイプの洗浄用シャンプーです。
●新配合のホイップフォーム成分により、今までに無い程のボリューム感溢れる濃密泡を実現!
●泡立ち・泡持ちに優れ、ボディーを豊富な泡で包み込みながら優しく洗えます。
何故、流れ落ちないのかその原因とは
※この映像は、泡シミを溶剤を塗布して溶かしているところです。
解説 )
紫外線の熱を吸収しやすいクリスタルブラック・パールのボディと洗車のタイミング(気温とボディの熱)が悪いとシャンプーの泡がすぐに消えてべたべたと塗装表面にへばりつき泡シミになります。どうやら、気づかず洗車の回数を重ねるうちに洗車のタイミングが徐々にずれていったのかもしれません。
イオンデポジット(水シミ)もボディの熱でミネラルなどがこびりついたシミです。
除去処理は
泡シミと水シミでは成分が異なるため、2種類の溶剤を交互に使用してシミを溶かしながら除去処理をしました。
洗車傷に関しては、除去処理を見送りました。
もし傷消しをおこなうと、再度ガラスコーティングを施工しなければならない塗装状態のため、今回は見送り改めて検討していただくことにしました。
※泡しみ除去前後の映像です。
今後の日常の手入れ方法
ご参考までにクリスタルブラック・パール塗装の手洗い洗車の手順としては
ホイール→側面全体→トランク→ルーフ→ボンネットの順番で水をかけながら洗い流しふき取る前に→ボンネットフード・トランクフードを開ける
の順になります。
拭き取りの手順
拭き取りは、ルーフとガラス→ボンネット→トランク→側面→ホイール→ドア・トランクの内回りの順です。
※ルーフとガラスの拭き取りを終えるまで、ボンネットフードとトランクフードは開けておき水はけをしておきます。
クリスタルブラック・パールは、太陽熱を吸収しやすいため油断すると水シミが発生します。
塗装表面を長く濡らしておかないのがシミ防止のコツです。親水と撥水に関係なくコーティングだけでは完璧に水シミを防ぐことには無理があります。
手洗い洗車では、洗車の手順とタイミング(洗車時間)がとても大切です。
最後まで、お付き合いのほどありがとうございました。店主