オーナー様とは、13年ぶりの再会でした。
引っ越し先の遠方から、ご来店いただき誠にありがとうございます。
さて、ご依頼はメルセデスGLCに
・ラフリコートⅠ
・ガラス全面撥水コート
をお受けしました。
メルセデスGLCの下地処理・レポート
・何故、工房内を暗くするのか?
・新車なのに映り込みが悪い原因
・当ショップで実施している新車の下地処理技法
・静電気防止処理とは
・窓枠メッキモールについて
メルセデスGLCのコーティング・レポート
・窓枠メッキモールについて
・未塗装樹脂コートについて
・ドアパネルの内回り
・光沢と艶の見極めのポイント
メルセデスGLCの下地処理・レポート
まず、活性水で洗車したあとシャッターを閉めて、自然光をさえぎることからスタートです。照明を照らしながらボディ塗装の状態をチェックするわけです。
・何故、工房内を暗くするのか?
2液型塗装から1液型塗装に変わってからは、ボディを観察する際には照らす照明が多すぎたり太陽光の下では、キズやシミを含めて塗装の状態を観察することが難しくなったためです。
例えば、拡散光と平行光に照らされた新車のボンネットですが、映り込んだ照明が何となくぼけているのがわかるでしょうか。
照明が多すぎると反射光が強すぎて塗装の状態が見えにくくなります。またキズやシミにはいくつかの種類があるため、照らす光の方向が同じ角度だけだと発見しずらいためです。
・新車なのに映り込みが悪い原因
メーカーの塗装本来の仕上げ方もありますが、そのほかに原因としてあげられるのが
・水性ワックスやシャンプー残液が残っている
・油分の汚れが残っている
・線キズによる塗装表面のボケ
・不十分な研磨処理のあと
など、いろいろとあげられます。
先ほどのボンネットですが、よく観察してみると小さな線キズと照らされたクリアー塗装表面に曇りがあることがわかります。
クリアー塗装の曇りは、メーカーの塗装の仕上がりなのか日本に陸揚げあとの磨き処理跡かは不明です。
いずれにしても、この状態でコーティング施工をしても、その効果は十分に引きだすことができません。そこで研磨処理による下地処理が必要になります。
・当ショップで実施している新車の下地処理
(1)研磨剤を使わない研磨技法
(2)研磨剤を使った研磨技法
(3)傷埋め研磨技法
がありますが、今回のベンツでは(2)研磨剤を使った研磨技法でボディ全体を処理し小傷の除去やクリアー塗装表面に透明感と滑らかさを引きだしました。
研磨剤を使った磨き処理で、ドアパネルに映り込む照明の輪郭がハッキリして引き締まりました。これはクリアー塗装表面の凹凸が少なくなりなめらかな表面に仕上がったためですが、これでコーティング材の密着度が高まります。
静電気防止処理について)
この後、ホウ酸シリカを塗布して熱処理をすることで、塗装表面に艶と滑らかさをさらに引き出し静電気防止処理をして下地処理の完成となります。
コーティング施工・レポート
・窓枠メッキモールについて
ベンツの窓枠メッキモールには、素材としてアルマイトメッキ(アルミ合金モール)が使用されており、このメッキ表面はアルカリ性の洗剤に弱く白いシミができやすい弱点があります。そのほかにもシリカケースや水垢また塩分などによって腐食します。
撥水力を高めることで、アルマイトメッキのシリカケースの付着を最小限に抑える効果はありますが、全くの青空駐車の場合は他の要因も含めて、いずれ白いシミができるようになります。
・未塗装樹脂コートについて
新車の未塗装樹脂表面は粘りがあるのですが、コーティング処理することでサラとした感触に変化します。
タイヤハウスの右半分を樹脂コート処理した状態です。
・ドアパネルの内回り
汚れが取れやすいように滑らかなコーティングを施してあります。
エンジンルームの一部にもコーティングを施工してみました。
・光沢と艶の見極めのポイント
展示する車ではありませんから、太陽光の下での艶や光沢の完成度を見極めることが大切です。
外で撮影とはいかないため、工房内に差し込む太陽光のなかで撮影を試みてみました。
撮影時刻は、朝と夕方の2回です。
ところが夕暮れ時は、艶にしっとり感がでてきました。
時間帯によって、映り込みの変化が面白いですね。
本日は、当ショップをご利用いただき、誠にありがとうございました。 店主