戸建てが立ち並ぶ静かな住宅地ですが、土ぼこりが舞う環境が悩みという青空駐車のお客様です。
ご紹介の車は、レクサスis300h2019年式のボディカラーはソニッククォーツです。
三 目次
■レクサスis300hの下地処理・レポート
・何故、工房内を暗くするの?
・3つの研磨技法と帯電防止機能
・ラフリコートⅠとソニッククォーツカラーの相性
■レクサスis300hのコーティング・レポート
・窓枠メッキモールについて
・未塗装樹脂コートについて
・ドアパネルの内回り
・光沢と艶の見極めのポイント
■レクサスis300hの下地処理・レポート
・何故、工房内を暗くするの?
塗装の構造が2液型塗装から1液型塗に変わり、塗装を観察する際に照らす照明が多すぎたり太陽光の下では、キズやシミを含めて塗装の状態を観察することが難しくなったためです。
ちょっと、ご覧ください。
活性水洗車を終えたレクサスis300hのボンネットに映し出された照明の輪郭が、なんとなくぼけているのがわかりますか。(上の画像)
これは、一見きれいに見えても塗装表面がザラザラに荒れた状態だからです。
もし、この状態でコーティング施工をしても、耐久性も艶もよくありません。そのため研磨処理で塗装表面をきれいに整える必要があります。つまり荒れた塗装表面を滑らかに平滑な状態に手直しすることです。
・3つの研磨技法
そのために必要な下地処理のひとつが研磨処理です。(3つの研磨技法参照)
研磨処理で滑らかになった塗装表面には、ハッキリと照明が写し出されているのがわかりますね。(下の画像)
・ラフリコートⅠとソニッククォーツカラーの相性
柔らかい色合いのボディカラーですが、ホワイトパールマイカと違ってソニッククォーツは、混ざりがない白で光の当たってる所とそうでない所の陰影がでるボディカラーが特徴です。
このカラーの特徴を維持するために)
①艶を控えめにして、陰影の違いをラフリコートⅠで、よりはっきりさせてみました。
②また、オーナー様の悩みである土ぼこりによる汚れのこびりつきを帯電防止機能で最小限に抑えることにしました。
■レクサスis300hのコーティング・レポート
・窓枠メッキモールについて
窓枠のメッキモールには、専用のコート剤で施工をしました。
ラフリコートⅠの塗装のベースコート剤はポリシラザンですが、メッキモールにはシリコーンオリゴマーという3次元網目構造を持つ比較的低分子の樹脂を使いました。
オリゴマーは塗料,接着剤,潤滑剤,可塑剤,化粧品などの各種用途に使われいる合成原料としても使われているものです。
使用メリットは、メッキにキズが付きづらいこと(5Hの硬度)や撥水力で水あかを極力抑える働きがあります。水滴を小さくすることで、メッキ表面に水分が触れる量を少なくします。
メッキモールには、アルマイトメッキとクロームメッキがありますが、レクサスis300hはクロームメッキなので白濁化はおきませんが、水シミや水あかがつきやすい欠点があります。
・未塗装樹脂コートについて
残念ながら、新品のように黒く復元することができませんでした。
PP(ポリプロピレン)という樹脂成分は,紫外線や熱、酸性雨によって劣化します。 その結果樹脂パーツに色あせが起こり黒い樹脂が白く変色します。
残念ながら、樹脂表面が薬品(シャンプー)で焼き付きがおきて変色がおきているため手遅れでした。
・ドアパネルの内回り
ドア内回りには、ゴムパッキンを傷めないコート剤で保護しました。これで汚れが簡単にとれるようになります。
・光沢と艶の見極めのポイント
車のコーティングの目的には塗装保護という機能性とメンテナンスの簡素化にあります。
もうひとつ忘れてならないのが、完成された
美しさです。自然の光を受け止めたその美しさが
何よりも大切です。店主