塗装の磨き処理の目的は、コーティング施工に必要な塗装状態(平滑性と艶)に仕上げるためですが、いろいろな塗装状態に対応するため、弊社では3つの研磨技法を導入しています。
3つの研磨技法とは
(1)研磨剤を使わない研磨技法
(2)研磨剤を使った研磨技法
(3)傷埋め研磨技法
(1)研磨剤を使わない研磨技法は、新車でキズが無いボディに限定した研磨処理技法です。新車でも傷がある場合は、研磨剤を使った研磨処理が必要になります。
①新車のフェアレディZとレクサスNX350fスポーツで解説。
②キーパーの下地処理との違いとは。
フェアレディZのボンネット研磨前後
ボディカラーはプリズムホワイト(3P)で、磨き前(上の画像)と磨き処理後(下の画像)を比較してみました。
研磨剤を使った磨き処理でなくとも、自然光でもこれだけの艶がうまれています。
フェアレディZのルーフの研磨前後
ボディカラーはスーパーブラック2トーンですが、磨き前(上の画像)と磨き後(下の画像)を比べてみると、研磨剤を使わない研磨技法後の塗装には、照明の輪郭がハッキリと映り込んでいます。
レクサスNX350hfスポーツの研磨技法前後
ボディカラーはソニッククロムですが、磨き前(上の画像)と比べて研磨技法後(下の画像)では、照明がハッキリ映り込んでいます。
一般的に研磨剤で磨かなければ、新車の塗装でもご覧のようにはっきりした映り込みはありません。ガラスコーティングやセラミックコーティングの施工後のボディは、見栄えがパッとしない訳です。
研磨剤を使わない研磨技法の理論とメリット・デメリット
(1)研磨技法の理論
(2)メリットとデメリット
(1)研磨技法の理論
写真にある筒の中の特殊セラミックに水圧をかけ、水を電気分解する事により水分子クラスターを極小化し低温ガラス成分を溶出します。
この低温ガラス成分にある技法で熱を加えることでクリア層分子と電着結合させ、塗装分子と結合することで塗装自体を強化し平滑性と艶を引き出します。ポイントはある技法で摩擦と熱を加えることです。
これによって、研磨剤で塗装を研磨しなくともコーティング処理に必要な塗装の土台を完成することができます。
(2)メリットとデメリット
メリットは、真っ新な新車の塗装膜を研磨剤で削って薄くすることがないことです。
デメリットは、キズは消すことができないため、キズ消しは研磨剤で磨く必要があることです。
この技法でコーティングを施工した車です。
研磨剤を使わない研磨技法に最適なコーティング商品としては
・ハイモースコートザ・グロウ
・ハイモースコートジ・エッジ
・ラフリコートⅠ
・ラフリコートⅡ
・セラミックコーティング
がおすすめです。
②キーパーの下地処理との違いとは。
一言で説明をしますと、キーパーは純水で洗車をしてきれいにした塗装をコーティング施工の土台にするため作業コストが安くすむ反面コーティング材の種類によっては耐久性にバラつきがうまれるのが欠点です。
弊社の場合は、活性水洗車で塗装をきれいにして、低温ガラス分子をツールで摩擦と熱を加えることで塗装表面に定着させてコーティングの土台をつくるため、コーティング材の定着性が安定し耐久性がのびます。
次回は、研磨剤を使った研磨処理の解説をしたいと思います。