取引先のお客様から,ご紹介をいただきました。
30数年経過しても、旧車として人気不動のスカイラインr32gtrのご紹介です。
三 目次
スカイラインr32 gtr下地処理・レポート
・何故、工房内を暗くするのか?
・r32gtrの塗装状態
・当ショップで実施している旧車の下地処理技法
・帯電防止処理とは
スカイライン下r32 gtrコーティング・レポート
・窓枠モールについて
・未塗装樹脂コートについて
・ドアパネルの内回り
・ラフリコートⅠとガンメタリックカラーとの相性
・光沢と艶の見極めのポイント
スカイライン下r32 gtrのミニ情報
・3代目 BNR32型(1989年 - 1994年)とは
では、早速ご紹介させていただきます。
スカイラインr32 gtr下地処理・レポート
・何故、工房内を暗くするのか?
と疑問に思われる方が多いと思います。
スカイラインr32gtrのような2液型塗装の場合、暗室でなくとも太陽光や照明で塗装診断ができるのですが、このボディカラーは意外とキズやシミが見つけずらく、建物の中を暗くして拡散光と平行光の2種類の照明で塗装をチェックをします。
・r32gtrの塗装状態
30数年経過している割には、ダメージが少ない状態でした。
これは、オーナー様がとても気を使い大切にしているおかげです。
ただ残念なことに、古い車だけにフェンダーやCピラーに映り込んだ照明がぼけて見えるのは、クリアー塗装の自然劣化が原因でやむ得ないことと思います。
ボディをくるっと一回りしてみると、サイドガラスに曇りができていたり窓枠のゴムが剥がれてきているのも、年数経過によるダメージでやむ得ないことです。
・当ショップで実施している旧車の下地処理技法
弊社では3つの研磨処理技法を採用していますが、塗装のキズや色褪せを取り除く処理には、研磨剤で磨く研磨処理法を採用しています。
窓枠のゴムの下地処理について)
研磨剤を使わない研磨処理を導入するのですが、ゴムの劣化状態がひどいため、洗浄をして研磨処理は断念しました。
塗装の研磨処理について)
一方、塗装の方はかなり酸化(塗装の色あせ)が進んでおりクリアー塗装表面が柔らく硬さが弱くなっているため、削りすぎないように通常よりも弱い研磨剤で、磨きと肌調整(研磨の最終仕上げ)を行うことで仕上げました。
撮影角度を間違えてしまい研磨処理前後を比較しても、わかりずらい画像で申し訳ないのですが、ライトの反射光の輪郭がハッキリしているのが研磨処理後(下の画像)塗装表面です。
研磨剤について)
旧車も使用する研磨剤の種類は、さほど違いはありませんが、研磨剤のベースとなるのは10年以上経過したポルシェの黄ばんだホワイト車をいかに復元できるか、その研磨力の基準で研磨剤を選択して採用しています。
研磨剤の種類は、輸入品と日本製の比率が70対30で外国製品が多く、これは使用する機具や塗装膜の変化(一液型)によるものです。
・帯電気防止処理とは
これは、帯電防止溶剤がはいっているミニボトルです。
帯電防止剤の目的)
1)静電気防止とホコリの付着防止
2)バインダーの役割(接着剤のような役割)
3)より滑らかな光沢と艶の引き出し
スカイラインのサイズだとボトル2本分を使いますが、研磨処理後この溶剤を塗布して熱処理をすることで汚れを吸い寄せない塗装表面(静電気防止)に仕上がり、また研磨処理後の塗装表面をより滑らかな塗装状態に仕上げていきます。この施工工程を終えて、いよいよコーティング施工へと進んでいきます。
この技法は、弊社を含めて採用している会社は全国的にみても少ないですが、設備機具と備品がないとこの施工工程はできません。
スカイライン下r32 gtrコーティング・レポート
・窓枠モールについて
窓枠のゴムモールのコーティングは、ゴムの劣化が激しいため施工を中止しました。残念ですが。
・未塗装樹脂コートについて
施工するパーツもほとんどないため、施工はしていません。
・ドアパネルの内回り
内回り専用コーティングで仕上げてあります。
・ラフリコートⅠとガンメタリックカラーとの相性
ラフリコートⅠは、ベースコートにガラスコーティング材(ポリシラザン)を採用している2層式のコーティング商品ですが、スカイラインのように古い塗装に施工ができます。
・光沢と艶の見極めのポイント
コーティングが完成した車体の光沢と艶の見極めは、自然光の中で見ることが大切です。コーティング施工完成車に照明を照らすと、実際の仕上がりよりもきれいに見えてしまうことがあるからです。
車をショールームに飾るのであれば、それもよいでしょうけど、私が預かる車は施工後に自然光の下で走行するための車です。
ですから、完成車の撮影はできる限り自然光つまり太陽光の差し込む状態での撮影を心がけています。
偉そうなことを申し上げましたが、撮影時に強風のため自然光での撮影が制限されてしまいました。
撮影枚数が少ないため、自然光を遮った時とシャッターの隙間から差し込む自然光を比較してみました。
尚、コーティング機能性のメリット・デメリットについては、車のコーティング一覧をご覧ください。